アメリカの「最良にして最も聡明な」人びとが、なぜ、ベトナム戦争という非道かつ愚かな泥沼へとアメリカを引きずりこんでいったかを、その権力深奥部の人間ドラマに重ね合わせて見事に描き出し、ハルバースタムの名を伝説的にした記念碑的な名著。権力の上層に結集するエリートたちが、その傲慢と偽善のゆえに愚行を重ねてゆくさまを、そして組織の政策決定・権力行使にたえず潜在する危険性を、鮮烈にえぐり出す。ルーズヴェルトからトルーマン、マッカーシズム、栄光と興奮に憑かれたケネディの時代、自ら盲目になったジョンソンのアメリカ、そしてウォーターゲートへの道―苦悩と挫折のアメリカ現代史を、卓越した明晰さと知性でビビッドに描いた、これぞニュー・ジャーナリズムの傑作。
【目次】
第1章 ケネディとエスタブリッシュメント/第2章 リベラルと非リベラルのはざまで/第3章 凡庸にして無難の効用/第4章 ワシントンに参集した超エリートたち/第5章 賢者の愚行の発端/第6章 合理主義と行動の時代/第7章 反共主義という幻想の遺産/第8章 ベトナム・コミットメント/第9章 分岐点・ケネディの妥協/第10章 奈落に向かう渦巻き