生き甲斐は何かと尋ねられると、ほとんどの人が「わからない」と答えます。自分の生き甲斐を知っている少数の人たちも、どうやってそれを見つけたかと聞かれると、「さあ、どうやってと言われても・・・。いつのまにかこうなってたんです」と答えます。
そこで、「でもどうにかしてそれを見つけたわけでしょ。ぜひ私も知りたいので、教えてください」と頼みこんでも、「そんなことわかりません。別の人に相談するなり、セミナーを受けるなり、本を読むなりしたらどうですか」と言われます。
もちろん、そんなことはとっくに実践済みで、それでもダメだから聞いているんです。
しかし生き甲斐がわからないという人に質問を変えて、「何に興味がありますか」「どんなことをしているときが幸せですか」「時間も忘れるほど夢中になれることはありますか」と尋ねると、とたんに瞳が輝いて話し始めます。
この内なる炎を点火する秘密を解き明かしたいと、私はこれまでの三十五年間をついやしてきました。「ワクワクの源泉」であり「生きる意味の源」、「奇跡の泉」だからです。
本来の自分に戻って、子どもの頃に感じたような生への意欲を取り戻し、人生の真の目的を見いだすための方法論です。ソースとはその人の心の扉を開くカギです。
マイク・マクマナス
米国南部の裕福な医者の家庭に育ったポールは、大好きだったロックンロールの演奏も勉強の邪魔になるという理由で親から禁止され、学業一辺倒の高校生活を送った後、地方の一流大学に入学しました。心理学を専攻して卒業すると、ちょうと就職難の時期だったのですが、運良く人の紹介で国際的規模の住宅内装材メーカーに就職できました。営業部に配置されて転勤をくり返しながら、中西部の小都市担当からロサンゼルス担当まで順調に昇進をつづけ、やがて海外駐在も体験し、高級車や高級住宅を手に入れました。表面的に見れば、ポールは誰にも後ろ指をさされることのない、申し分のない責任感を持つ社会人でした。妻と二人の息子を養い、酒やギャンブルにおぼれることもなく、まじめに働く誠実な夫であり、社会的成功をおさめていました。
しかしそうした体面を保つためにポールは大きな代価を支払いました。ストレスを食べ物で癒そうとしたために体重が増え、運動不足も加わって、四十代で高血圧症になり、糖尿病も発病しました。また、精神的にも落ち込むようになって抗うつ剤も医者から処方されました。
三十年間、ポールは親や世間から期待される通り、一生懸命働いてきましたが、それは自分ではない、他の人間が望んだ人生でした。人生とは、大学教育を受けて一流企業に就職し、結婚して家族を養いながら昇進に励んで豊かな生活を目指すことだという考えを、それまでの彼は一度も疑いませんでした。
ただ、問題は、ポールが三十年間勤めた営業の仕事は決して彼の心を満たしてくれなかったという点です。心やさしいポールにとって、代理店からすげなく断られたり、毎月の営業目標をごり押しする上司から批判される生活はつらく喜びの少ないものでした。それでも頭が良くて頑張り屋のポールは人並み以上の成績を上げてきましたが、自分はセールスに向いていないと常々感じていました。
ポールは責任ある社会人のように見えますが、実はそうではないのです。彼はまわりの人間の願望を満たすことに一生懸命で、自分自身の夢や願望を忘れていました。本当の自分を置き去りにしてしまいました。人生の途中で自分の魂を見捨ててしまったのですから、それはもっとも無責任な行為といえます。自分自身に無責任な人は、家族や友人知人、仕事、ペットにさえ、責任を持つことができません。なぜならその人からは、憂うつ、イライラ、怒り、恨み、不満、空しさなどが漂い、それがまわりの人間たちにも伝わるからです。
私が出会ったときのポールは、セールスの仕事が嫌いだということはわかっていましたが、では何をしたらよいかとなると、皆目見当がつかずにいました。
「ソース」のプログラムを受講して、ポールは自分が心からワクワクすることは何か、探し始めました・・・